児童書評価のページ

新刊・古典とりまぜて児童書を評価します

つぎに読むの、どれにしよ?

 

エッセイ的読書案内。紹介されるのは、パディントン、ピッピ、アントン、グリーン・ノウ、メアリー・ポピンズなど長く読み継がれている作品。子どもの頃から海外児童文学に親しみくり返し読んでいて、子どもの時の感覚も覚えていて、大人になって読んだ時との違いも、率直でなるほどと思わされます。

著者は、松本市の児童書専門店「ちいさいおうち」の娘。本に囲まれて育ち、『大きな森の小さな家』に5歳で出合うという英才的環境?!がゆえに自分の児童書好きは稼業のせいかと悩んだ時期もあるそう。生き辛さに苦しんでいた中学生の頃に救われた『思い出のマーニー』や、「物語のなかに家出」できると勇気づけられた『クローディアの秘密』についての文章は、いま苦しんでいる子の中に共感する子もいるのではないでしょうか。

物語の舞台への旅、イギリス篇・スウェーデン篇や、リンドグレーンの翻訳の多い石井登志子さんとの対談も。 (は)