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トンカチと花将軍

 

トンカチと花将軍 (福音館文庫 物語)

トンカチと花将軍 (福音館文庫 物語)

 

 まち中の花が消えてしまった。トンカチは、犬のサヨナラとともに、花が大好きなさくらちゃんのために誕生祝に花を探しに出かける。ところがサヨナラは、途中で見かけた白くてフワフワしたものを追いかけて行方不明になってしまった。サヨナラを追いかける途中で知り合ったみずたまりのジャボチンスキーに助けを求めるようにと教えられ、あねもね館を目指す。そこでねこのヨジゲン、あらいぐまのトマト、くまのブンブン、そして自分のクシャミと戦っている花将軍に出合う。サヨナラはどこへいってしまったのか? 仲間の助けを借りながら、ついに暗黒の森をめざすトンカチ。ことば遊びのような登場人物の名前や「私は殺される」という謎のメッセージの爆笑種明かしなど、ユーモラスな展開が楽しい。さいご、サヨナラを取り戻す方法もなかなかのものです。

個人的な思い出だが、この物語は大学の授業の中で最初に出会った。いまだに、本を読んでくれた先生の声が耳に残っている。今回読み返して、あの時の先生の声が聞こえてきた。児童文学について教えてくれた先生に感謝!