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雑草のくらし

 

たくましい生命力といえば雑草の世界。人の手が入らなくなった畑あとにくり広げられる激しい生存競争を、5年間追った。

季節ごと、年ごとに主役の座は変わってゆく。1番最初に小さく芽を出すメヒシバとエノコログサは、またたく間に、大きく高く伸びるセイタカアワダチソウやオオアレチノギクにすみかを奪われる。これらは、根や地下茎で冬を越すため命が長い。しかし今度は、つるで他の草に巻きついて伸びていくものが出てくる。クズやヤブガラシ。からみつく草を探してかま首のようにうねるつる先は、恐怖すら覚えます。

ところが。5年たち、再び草が取りのぞかれた地面に芽を出したのは、メヒシバとエノコログサ。土の中で種がじっと生き続けていたのです! それぞれに見事な生き方としか言いようがありません。 (は)