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バサラ山スケッチ通信 ぼくの鳥の巣探検

 

バサラ山に暮らす著者は、ある日、からっぽの鳥の巣を見つけ、その機能的で美しい造形に魅せられます。誰に教わるでもなく、道具を使うでもなく作られるその不思議。鳥の巣あつめに夢中になるうち、山階鳥類研究所との出合い、鳥の巣展覧会の開催、鳥の巣の本の制作、さらに、外国の鳥の巣を収集している”先輩”、日本鳥学会名誉会員小林桂助氏との出会いは、”世界”の鳥の巣探検へと著者の領域を広げてゆきます。

自身の研究家としての道のりをたどりながら、日本の鳥たちの巣について、その形とつくる場所に分類して解説。クモの糸で葉を縫い合わせた巣には驚きです!鳥の巣をとおして、卵やヒナ、鳥の生態、周囲の環境(自然や人間)が見えてくる、奥深さやおもしろさも示す。口絵の鳥と巣が美しく、引きこまれます。 (は)