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子どもの遊びとうた―わらべうたは生きている

 

1983年の小泉文夫氏の急逝後、わらべうたについての文章をまとたもの。1冊を通して論が展開されているわけではないのと、音楽理論などが難しく読みづらかった。

雅楽や能は一部の階級の文化であって、真に日本の伝統音楽と言えるのはわらべうたや民謡。現に、西洋音楽で教育されている子どもたちが、遊びに欠かせないものとしてわらべうたや替え歌を歌い続けている、とフィールドワークで証明した。「子どもの中にあるものをつみとらない、損なわない」という考え方は、かこさとしさんを思い出しました。

また、「くまさんくまさんまわれみぎ」と歌うなわとび遊びがアメリカにもあるとか、ペルーなどのじゃんけん遊びで”I canna(can not)show”(あいこでしょ)と言っている、といった報告は、世界各国をフィールドワークした小泉氏ならではで、おもしろかったです。 (は)