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プーさんの戦争 世界一有名なクマのお話

 

カナダで、母熊が殺された後、男の子が育てようとしたクロクマの子は、いたずらすぎてすぐに手に負えなくなり、手放さざるを得なくなった。その子熊を買い取ったのは、戦地に向かう途中の獣医師ハリー。ウィニーと名付けられ、カナダ軍のマスコットとして、みんなからかわいがられ、太平洋を渡り、第一次世界大戦中のヨーロッパに向かった。訓練中、みんなをなごませてくれたウィニーだが、戦場には連れていけない。ウィニーはロンドンの動物園にあずけられて人気者となっていく。そして、クリストファー・ロビンと出会い、世界一有名なクマとなっていく。ウィニーの視点で、戦場に向かう馬たちとの交流が語られるが、主に戦争と向かい合わなければならないハリーたちのやるせない思いが切ない。ハリーの遺品のノートを元に子孫が物語したもの。