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子どもによる子どものための「子どもの権利条約」

 

中学2年生の2人が翻訳した子どもの権利条約

本文はかなり意訳ではあるけれど、子どもにわかりやすいだけでなく、読みたくなる(!)ところが最大のおすすめポイント。これはおとなにとってもです。

例えば、第31条「遊び、遊ぶ、遊べ、遊んじゃえ!」や、第29条「なんのためにおべんきょ、そのほかいろいろするのかな?」、第6条の1「ぼくらは、生きてていいんだ」。

谷川俊太郎さんと中学生の座談会を読むと、本当によく調べて取り組んだことがわかります。でも、それにとらわれない翻訳の軽やかさ。自由な校風の学校に通っていたこととも無縁ではないでしょう。

1994年、日本が条約を批准した年に行われた「子どもの権利条約翻訳・創作コンテスト」の最優秀賞作品。各ページ下段には日本政府訳、巻末に英語の正文があって対照できます。 (は)