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新刊・古典とりまぜて児童書を評価します

増補 オヤジ国憲法でいこう!

 

 悩みや混乱を抱えて不自由な十代のヤングたちに、「個性」「友達」「恋愛」「理想」「親」について5条15項の「オヤジ国憲法」という形で、オヤジのように「底抜けに自由」になることを推奨し、「ヤングよ。キミらは、生きているだけでもう、すごいのである。」というメッセージを伝える。
オヤジのつぶやきのようにゆるい文章の中に、自身の思春期や人生経験ならではの深く説得力のある言葉がある。社会経験や知識量の差で、中高生には理解できない部分もあるかもしれないが、どこかしらに引っかかってくれたらいい本だと思う。
ある中学生の女の子は、第2条「友達ハ大切ナモノニアラズ」で、義務教育の学校に通う子どもは、たまたまそこに「集められているだけ」なのだから「友達」づくりに縛られなくていいという部分に「なるほど、そうだなと思った」と言っていた。ちなみに私は、どんなに攻撃され壊れていっても動き続けるターミネーターばりに、自分が傷つけられた時は自分で自分に「デデッデ、デデッデ。」(『ターミネーター』で流れる効果音)とつぶやいて鈍感になってみよう・・・というところにハマっている。

中高生たちが思春期をなんとか乗り切る1つの術として紹介したい本だ。