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新刊・古典とりまぜて児童書を評価します

僕らが学校に行く理由

 

世界の紛争、飢餓、貧困、児童労働などの現場を訪ね、学校に通えない、あるいはそんな状況でも学ぶ子どもたちの姿を写真に収めた。訪れたのは、南スーダンウガンダカンボジア、タイ(ミャンマー難民)など。

おとなである著者でさえカメラを向けるのがためらわれる、子どもたちの置かれた状況について語る文章は、むしろ”僕が写真を撮る理由”であり、学校の外の世界へ目を向けようというメッセージ。「きみたち」に考えてほしいとよびかけながら、著者の思いを語りすぎているように思いました。

ウガンダのテラコヤの先生が、「自分が持っているもの(寝る場所、学ぶ機会、支えてくれる人)に対して誇りを持ちなさい」、自分をおとしめるな、と厳しくも愛情をこめて、子どもたちに言っています。私が接する通信制高校生など、伝えたい子が身近にもいるなと思いました。 (は)