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ペイント

 

2012年韓国で第12回チャンピ青少年文学賞受賞作品。舞台は近未来韓国。少子化を止めるために、国家がNCセンターで子育てを引き受けている。だが、NC出身者への差別はなかなか消えない。そこでNCセンターでは子どもを迎えたいという親が引き取れば、NC出身の過去を消せる制度を作った。子どもを引き取った家庭には経済的な援助が与えられる。だが、それ目当てで虐待される子がでないように、センターでは慎重に事前審査を実施したうえで、3次面接、通称ペイントと呼ばれる(ペアレント・インタヴュー)が行われ、慎重に決めていく。17歳のジュヌ301は冷静で、一次面接以上進んだことがない。取り繕って面接にやってくる親たちの姿がたまらないのだ。だが、同室の13歳アキは素直な子で、暖かい両親と共に暮らすことを願っている。常に規則通りの堅物だが、子どもたちの幸せのために最善の努力を尽くすパク所長、所長にいつもたてつくけど、いつだって子どもたちや所長のことを心配している気が強い職員のチェ。そんな中、ジュノもアキも思わず心を動かされるような親候補にであった。親であるということ、子どもであるということはどういうことなのか? これは中高生が読んだら面白いね~。