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シンデレラはどこへいったのか—少女小説と『ジェイン・エア』

 

虐げられているが心優しく美しい少女が王子さまと出会うシンデレラ。このシンデレラとは違う道筋をたどって幸せをつかむ女性の物語『ジェイン・エア』。美しくなく、気性が激しい少女が、学問など自力の努力で自立し、対等の立場で男性と結ばれる。この物語が少女小説に与えた影響として、『若草物語』『リンバロストの乙女』『あしながおじさん』『赤毛のアン』『木曜日の子どもたち』で検証されている。納得させられる内容で、とても面白かった。そして、ふと思った、現在のラノベでもシンデレラ型とジェイン・エア型があるかも。『わたしの幸せな結婚』顎木 あくみ著は、継母と妹に虐げられていた娘が結婚で幸せになる(その後、力を発揮するところが違うが、力を発揮しても、控えめでつくす!)シンデレラ型で、こうしたパターンは量産されている。対していわゆる悪役令嬢モノは、ジェイン・エア型かも。主人公は美女だとしても否定される悪女顔で、かわいげがなくて勝気、追放されるのを見越して自立し、お金をもうけて自活するために頑張る。ラノベだと、その後、イケ面男性と結ばれるけど、相手もクセのある正統派王子ではないパターンが多い。などと妄想してしまった。物語の系譜の裾野は広い気がした。