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移民や難民ってだれのこと? 国際化時代に生きるためのQ&A1

 

移民や難民ってだれのこと? (国際化の時代に生きるためのQ&A 1)

移民や難民ってだれのこと? (国際化の時代に生きるためのQ&A 1)

 

 イギリスで出版された本の翻訳。なんとなく“怖い” “心配”というイメージのある移民、難民問題を実在の人物に語らせている。生まれた国を捨てなければいけない理由はそれぞれだが、戦争が起こる、貧しくて希望がない、差別されるなど自分が当事者だったらどうか? と思うときちんと受け入れをしなければいけないと思う。同時に、例えば当初好意的だったドイツが難民の受入れ反対に変わっていった経緯などをもう少し知りたかった。例えば、クラスに難民の転校生が一人来たなら優しくできるかもしれないけど、30人クラスで10人難民でこれからも来るかもと言われるとやはり不安を感じると思う。それは、予測がつかない事態と向き合わなければいけないから。自分とは違う人間との付き合い方、特にこちらの国の流儀に従えというだけではなく、向こうがどうしても譲れない問題をどう認めるかということは大きな問題だろう。ここから初めて、子どもたちと抽象的に出はなく、具体的に考えてみたい。