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何かが来た

 

何かが来た (21世紀空想科学小説 2)

何かが来た (21世紀空想科学小説 2)

 

 

戦争がおわった後の近未来。機械いじりが好きなユウセイは、上町の子たちとトラブルになり、自転車勝負になる。だが、挑戦者は失敗してガケから落ち、謎の建物の水槽に落ちる。リーダーのタクマがとっさに崖の下におりて救出したところ、それは意外にも美しい少女だった。勝負は棚上げとなるが、家に帰ったユウセイは、大人たちが一斉に異常な行動をとり、親が自分に向かって襲い掛かってくるのにがくぜんとする。こんな時、みんながたよりにするのは、町はずれにすむマサ兄。すると上町でも同じことがおこっていることがわかる。そして水槽に落ちた少女モモカの体に変異が! 実はかつての戦争で作った、生物兵器が落下し、町は汚染。大人はウィルスの作用で奴隷化されたのだ。唯一の抗体として体が改造されていくモモカ。モモカの犠牲により、町は最終的に平穏を取り戻すが、子供たちは、大人になったら広い世界と知識を求めようと考える。
21世紀空想科学小説シリーズの作品で、一種の侵略ものだが、奴隷化ウィルスとその効果(大人たちが何かをさがすとか)がよくわからない。体がぎりぎりと回転して後ろを向くとかシーンとしては不気味だけど、ふつうにふりむかない理由は?などイメージ先行であまり科学的な感じはしない。その分、情緒的で読みやすい、というべきかもしれないが。