児童書評価のページ

新刊・古典とりまぜて児童書を評価します

UP AND UP

 

Up and Up

Up and Up

 

 字のない絵本。大空を舞う鳥が町を俯瞰する絵から入り、コマ割りの絵でストーリが展開していきます。
鳥のように飛んでみたいと考えた女の子。大きな紙で翼を作ってみたり風船をたくさん束ねて浮かんでみたり。でも上手くいきません。そこへ荷物が届き空っぽの大きな卵が出てきました。女の子はその卵に入るとヒナになったつもりで殻を割って食べながら出てきました。すると体がふわーっと浮かび上がったではありませんか。そのまま玄関からひらひら飛び出した女の子を、両親があわてておいかけます。自由に思うままに飛んでいく女の子。つかまえようとする街の大人たちの追っ手をすり抜け、学校の子どもたちはおもしろがって勉強そっちのけで追いかけてきます。とうとう1人のおじいさん(自然科学者?)が気球に乗ってつかまえにかかり、女の子の重みで破けた気球が地上に降り立ったとたん、ようやく魔法は解けるのです。
その後女の子は、鳥を見ても飛ぼうとはもう思わなくなりました。とことんやって心から満足できたからです!          (P)