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ぼくんちのテディベア騒動

 

ぼくんちのテディベア騒動

ぼくんちのテディベア騒動

 

 かあさんの誕生日プレゼントにあげるシンプル(指ぬき)を探していたジョエルは、リサイクルショップで古ぼけたテディベアを見つけた。心ひかれ買おうとするが、古すぎて安全基準証明のタグが無いからと売ってもらえない。そこで50セントを寄付し、その後で店のごみ箱からこっそりとテディベアを救い出した。ちょうど同じころ、父さんの会社は得意先を切られ、家計の危機がやってきた。今までのように乗馬などの習い事はできないと知った姉さんは、怒ってキレた勢いで階段から落ちて骨折。次々とトラブルに見舞われる。姉さんに夢中の親友ケニー、そのケニーにあこがれている妹エリン、ジョエル自身にもガールフレンドができると大忙し。だが、テディベアが値打ちものらしいとわかり、父親は家のローンのためにテディベアを売ってほしいといいだす。でも、フェアな手段で手に入れたわけではないジョレルは落ち着かない。それに、あのくまが何かを訴えている気がしてならない。よくある定番ネタを使っているが、家族やケニーのキャラクター良く描かれていて読ませる。とくに、キレるねえさんの描きっぷりと、チラリとのぞくその内面はおもしろい。作者はこんなお姉さんがいたのでは?と思うほど。『龍のすむ家』の作者。