シーラスと四頭立ての馬車 (児童図書館・文学の部屋―シーラスシリーズ 3)
- 作者: セシルボトカー,橘要一郎
- 出版社/メーカー: 評論社
- 発売日: 1987/02/10
- メディア: 単行本
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四頭立ての馬の暴走を止め、大きな街の大商人一家を救ったシーラスは、ぜひお礼がしたいという商人の家にいく。だが、シーラスは、別に何かをもらおうという気はなく、自由に振る舞まうシーラスに家族は興味深々となる。長男ヤペトスは、シーラスにつられてスラムに足を踏み入れてつかまってしまう。なんと相手はウマガラス。クマを連れ、はしけ船を根城にしていたのだ。だが、商人がくれた服を着たシーラスの正体が、ウマガラスにはわからない。馬は奪われ、身代金要求の対象となる。ヤベトスは、文盲のウマガラスに代わり、自分たちの居場所を身代金要求に書く。最終的に、二人は自力で脱出するが、シーラスはこの事件で字に興味を抱き、商人の家で家庭教師から文字を習い始める。その後も、奪われて行方不明となった黒馬をさがすため、シーラスは街をさがしまわる。スラムの子供たちの仲間としてもぐりこみ、お礼の報奨金を示す。中でも、ずばぬけて賢いメリッサが、ついに手がかりを発見。シーラスは黒馬とヤベトスの馬を奪還し、ウマガラスをクマとともに、はしけで追い出す。文字を習い始めると同時に、教会できちんとした演奏をきいて心惹かれるシーラス。勝手なことをして跡取りまでトラブルに巻き込んだのに、商人はなかなか太っ腹。学のないシーラスが教養まで身に着け始めたら最強かも。