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彫刻家の娘

 

彫刻家の娘

彫刻家の娘

 

 彫刻家の父とイラストレーターの母の間に生まれ、のびのびと育てられた作者の自伝。神さまが叱るために現れるのを期待して、わざと悪いことをしてみた幼い日の感情。自然豊かな島を楽しみ、言葉も通じない地質学者にくっついて歩きまわった思い出、さまざなまペットを大切にした父への思いなど、子供の持っている極端に研ぎ澄まされた感情を、大人になっても忘れないヤンソンのすごさを感じる。読み手を選ぶが『幼なものがたり』石井桃子著のような物語。