突然の父の死により、ナンシーの運命は変わった。幼いころから心を寄せていたウィリアムと引き離され、イギリスからジャマイカへと渡ることになった。そこで待ち受けていたのは、借金のカタに残酷な海賊あがりの農園主バルトロメとの結婚。奴隷の娘ミネルヴァとともに逃げ、バルトロメの追跡を振り切るために海賊として生きることを決意する。ナンシーの基本は、ウィリアムとの愛を夢みるオトメチックキャラなのがちょっと不満。『魔女の血をひく娘』の作者。ジャマイカの風土や、バルトロメの追跡を夢で予感する不気味さなどムードは出している。大円団を予感させる終わりだが、ウィリアムと結ばれた後、ナンシーはどういう生活をするつもりかな？
