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ブロード街の12日間(2015課題図書 中学生)

 

ブロード街の12日間

ブロード街の12日間

 

 イールは運が良かった。川の泥さらいから、ビール醸造所の下働きの仕事を手に入れたのだから。だが、醸造所の甥にはめられ、盗みの嫌疑をかけられてしまう。イールが持っていたお金は、近所の仕立て屋や医師ジョン・スノウ博士の仕事を手伝って得たお駄賃だ。それを証明してもらうため、仕立て屋さんのもとに行ったイールは、仕立て屋が“青い恐怖(ペスト)”にかかったことを知る。スノウ博士に治療を頼みに行くが、博士は治療は不可能だが、これ以上病気を広めないためにできることがある、それを手伝ってほしいとイールに頼む。かつては両親がそろい、教育も受けられたのに、父の死から転落が始まり、残酷な義父ができ、母が死んだ。義父jからにげ、たった一人の弟を守るため、、イールは懸命に稼いで、養育費を稼いでいた。今、その全てが崩れるかもしれない。井戸が原因と考えるスノウ博士の仮説を証明して井戸の使用停止を行うため、イールは動く。友人のフローラの助けを借り、懸命に調査をするイールに、義父の魔の手が伸びる。初の疫学調査の史実に、架空の少年を加え、当時のロンドンのようすや、懸命に弟を守ろうとする本人もやっと10歳という過酷な設定の中でのサスペンスとして読ませる。