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わからん薬学事始1

 

わからん薬学事始1

わからん薬学事始1

 

 久寿理島で育った木葉草多は、高校進学のため、初めて島を出た。島は恵まれた自然の中、ほぼ自給自足の暮らしをしている。最大の産業は生薬づくりで、「気休め丸」は、秘薬として珍重されてきた。代々女系が続いた木葉家の400年ぶりの男子の使命は、新しい薬を作ること。薬学の伝統ある和漢学園で、豪快だが動物実験を良しとせず留年続きの嵐、秀才だが動物に触れないため同じく実験ができない伸太郎とともに「わからん荘」での下宿生活が始まる。大塔製薬の御曹司秀有(イケ面で、優秀、性格もまっすぐ!)や、大家の姪の真赤(まき)と、その双子の妹真白(ブランカ)など脇役も個性派ぞろい。草多は、懸命に勉強についていく中で、自分が竜骨の力を借りて、草木の言葉がわかる特殊能力の持ち主であることに気付く。全体にライトノベルズ風の軽いタッチで楽しく読める。