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血族の物語=上

 

血族の物語〈上〉 (ポプラ・ウイング・ブックス)

血族の物語〈上〉 (ポプラ・ウイング・ブックス)

 

 人類の歴史が始まったころのアフリカが舞台。≪月のタカ族≫は、よそものに襲われ砂漠を放浪する。少女ノリは、少年スーズや置き去りにされた小さな子どもたちと、他の道を行くようにという≪月のタカ≫のお告げを知らせる。孤児の子どもだけのグループは、カルデラの中の楽園のような、しかしどこか病んだ部族に出会うが、火山の噴火が、一行を脱出させる。次に合うのは、言葉を持たない部族。だが、しだいに心を通わせ、元の≪月のタカ族≫の生き残りとも合流。ノリは、新しい氏族の誕生を告げる。1章ごとに昔話(神話の性格を持つ)が挿入されているが、それもおもしろい。人類創生期の神秘的で溌剌とした雰囲気がよくでている。読者を選ぶだろうが、完成度は高い。