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大森林の少年

 

大森林の少年

大森林の少年

 

 1918年、インフルエンザの大流行の中で、マーベンの住むまちも死者が増えていた。両親は、マーベンだけでもまちから逃がそうとして、カナダとの国境の木材の伐採現場にやることにする。みんなフランス語をはなすという中に、たった一人で行く不安。そこで任される帳簿付けの仕事。字が書けなくてねぼうだけど、気持ちがやさしい樵のジャン・ルイとの友情。不安を感じながらも、徐々に生活にも慣れ、雪解けとともに帰宅して、家族が全員無事であることを心から喜ぶ。作者の父の実体験を基にした物語。絵も美しいし、物語もよいのだが、字をもう少し大きく読みやすくしてほしい。絵本ふうだが、字が多い本は手に取られにくく残念。