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ロベルトのてがみ

 

ロベルトのてがみ

ロベルトのてがみ

 

ロベルトは5人兄弟の真ん中、両親はメキシコ移民で、家の中ではスペイン語で話しているため、英語がわからない。お店でキャンデーがほしくなって、勝手にとってしまい「金をはらわなければだめだ」と英語で怒られても、怒られていることしかわからない。お母さんはやさしいが、若くして結婚したのでお料理がへたで、家のやりくりがうまくできない。おしゃべりをしていて買い物さえできなかった日に、お父さんに追い出されてしまった。ロベルトの下の小さな子はおばあちゃんに預けられ、上の二人は学校に行くが、ロベルトは一人で通りであそんでいた。石をガラスにぶつけたり、配達された牛乳を下水に流したりとトラブルを起こすロベルトを「子どもセンター」に預けるよう助言される。有料だが、食事も出る子どもセンター。最初は乱暴なことをしたり逃げ出そうとしたが、徐々に、友達ができ、遊びを覚え、英語もわかるようになる。そして文字を教えてもらったロベルトは、母親に家に帰ってほしいと手紙を書くことを思いつく。手紙を読んで帰ってきた母親は、追い出されていた間働いていた家で、家事を習ったため、家のことができるようになり、ロベルトが英語を書くことまでできるようになったことは父親を喜ばせる。メキシコ移民が、アメリカに溶け込んでいく様子がわかる物語が、エッツのやさしい絵で語られる。知識を得ることで、幸せになったロベルト、よかったね!