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ジョットという名の少年

 

ジョットという名の少年―羊がかなえてくれた夢

ジョットという名の少年―羊がかなえてくれた夢

 

 絵の好きな男の子ジョットは、絵を描くのに夢中になって、羊を一匹迷子にしてしまう。父親から叱られるジョットだが、折からまちにきた画家チマブーエにあこがれ、彼に顔料をもらって絵を描くと、チマブーエはそのできばえに驚いて彼を弟子とする。これはもう元ネタはヴァザーリの『美術家列伝』で、こうしたゴシップ的なこぼれ話というのは楽しいのだが、一冊にするならワンエピソードで終わりでは物足りない気がする。こういう偉人のエピソード絵本が量産され気味なのも、そういう気分になる一因かもね。