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長崎ものがたり お船が出る日

 

長崎ものがたり お船が出る日

長崎ものがたり お船が出る日

 

 戦国時代末期。海太郎は、かつて海賊だったというじいちゃんに育てられ、その死後、じいちゃんの遺言に従い、黒く煤けた像をもって長崎に向かう。正直、像? 長崎? というのでキリシタンと思ったら媽祖(航海の守り神の海の女神)の像でした。海太郎はじいちゃんのともだちだたという船大工の下で働きながら航海の夢をみます。そして外国まで交易に出るハウ船長にであう。ハウ船長は壊れかけた唐船を曳いてくるが、それそ見事日本の船大工たちは修理して海太郎も船出していくという物語。祖父を失ったり、他人の家で働いたりという悲壮感がなく、楽しい雰囲気にしているが、『チムとゆうかんなせんちょうさん』を思うと、もうちょい修行の厳しさテイストも混ぜたほうがワクワクするきもした。