児童書評価のページ

新刊・古典とりまぜて児童書を評価します

ラッセのにわで

 

ラッセのにわで

ラッセのにわで

 

 ラッセが庭でボール遊びをしていると、「くがつ」という名の少年に出会う。そこで一緒にころがるボールを探しながら、秋の果物や野菜、花の精たちを訪ねていく。様々なベリーが描き分けられ、北欧ならではの自然を感じる。しとやかに歌を歌うりんご夫人や、王冠のように実をかぶり威張って歩くいちごの父さん母さん、かかしのぼやきを踊ってなぐさめるえんどうまめたちなど、それぞれに性格づけられた文章もおもしろい。貫禄ある姿のキャベツ夫人が、煮込んでシチューにもなるし酢キャベツにもなってこんなに役に立つものはないと主張するのには、納得!挿絵の美しさ、かわいらしさだけでなく、そんなところも味わいたい。