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世にもおそろしいフクロウおばさん

 

世にもおそろしいフクロウおばさん (児童単行本)

世にもおそろしいフクロウおばさん (児童単行本)

 

 ステラは優しいお父さんお母さんと幸せに暮らしていたが、唯一の悩みは一緒に暮らしているアルバータおばさんだった。恐ろしい巨大フクロウを飼っていて、お父さんが相続したお金を勝手に使いまくり、それでもちっとも反省しない身勝手なおばさん。ある日、ステラが目を覚ますと体が包帯でグルグル巻きにされていた。車の事故で両親は死に、ステラだけが生き残ったというのだ。たった一つ残った財産であるお屋敷はステラに残されている。おばさんは、なんとかそれを横取りしようとステラを閉じ込めるが、ステラは幽霊の男の子ススの力を借りておばさんと戦う! というと面白そうだし、それなりにおもしろいともいえる物語だが、何ともリアリティがない。ドタバタ設定のゲームのような展開。大体、本当に昏睡してたならステラはどうして生き延びたの? 目が覚めてから一度も食事ももらえずにこんなに動けるか? 幽霊なの死にかけるって? とかイケイケで物語が展開している感じが今一つ。子どもはこれで納得するんだろうか?