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チェクポ おばあちゃんがくれたたいせつなつつみ

 

チェクポ おばあちゃんがくれたたいせつなつつみ (世界傑作絵本シリーズ)

チェクポ おばあちゃんがくれたたいせつなつつみ (世界傑作絵本シリーズ)

 

 チェクポとは、韓国で昔から使われるポジャギという布の1つで、子どもたちが教科書や弁当箱を包んで学校に持っていくもの。まだかばんが貴重だったころの話です。
主人公の女の子オギは、おばあちゃんが心をこめて端切れを縫い合わせてくれたチェクポで学校に通っています。でも、友だちのダヒが最近買ってもらった赤いかばんがうらやましくて仕方ありません。その気持ちに追い討ちをかけるようにダヒがかばんを見せびらかします。帰り道にとうとう2人はつかみ合いの大げんか。ダヒは走って行ってしまいました。オギはみじめになってチェクポを鉛筆で引っかきますが、おばあちゃんの縫ったチェクポは丈夫で破けません。気を取り直して帰り道を行くと、川のほとりでダヒが泣いています。川に落ちてスカートがびしょぬれになってしまったのです。オギはダヒの腰にチェクポを巻いてあげました。すると素敵なスカート代わりに。2人は仲直りしたのでした。
物語としては仲直りがあっけない気もしますが、1970年代韓国の美しい農村風景が魅力です。    (は)