未来を作る未来力、想像する力をキイワードに9人のSF作家によって書かれたエッセイ。人と付き合うよりも本を読む方が好きで問題児だったけれど自分の世界が大好きだった新井素子。未来が今とは違う衝撃と憧れの中で成長した荒俣浩。明るくて楽しいSF以外に悪夢を見る自由もあることに気付いた体験を語る上田早夕里。未来を作ることに自分も参加できるのだ、と教えてくれる神坂一。生きていることとは想像することだと断言する神林長平。残り時間の中で、きっとマシな未来が作れるよと励ますような信条カズマ。想像する力は、不安をあおるような悪い面さえあることをわすれないでという長谷敏司。想像力はとりとめのない物ではなく、そのままではたどり着けない場所にたどり着く道具だ、として自分が作家になった体験を語る三雲岳人。書いて書いて書き続けながら終わりがない物語にあこがれる夢枕獏。バリエーションがあっておもしろいが、どちらかといえばタイトルは「想像力養成教室」にしても良かったかもと思いました。