ジェームズは黒人ではあるが恵まれた家庭で育った。子どものときはじめてカメラで写真を撮ってもらい、本物そっくりな写真に感激。苦労してカメラを入手した。都会に出て写真スタジオで仕事を得るが、黒人だというので裏方仕事しかさせてもらえない。だが、店主が留守の時の仕事でしてチャンスをつかむ。客をリラックスさせて自然な表情を引き出し、歯並びなどに修正を加えてより魅力的に見えた彼の写真は大人気。独立してハーレムで写真スタジオを構えた。黒人の有名人も出入りし、何よりハーレムの人たちを美しく撮り続けた。だが、カメラの普及とともに仕事は減り生活が苦しくなったころ、メトロポリタン美術館が、かつてのハーレムの姿を撮り続けたジェームズの写真展を行い、もう一度脚光を浴びることになった。黒人であるジェームズが、同じ黒人の仲間を美しく写そうとしたということは大切。晩年に再評価されてよかったね。