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破滅篇 SFショートストーリー傑作セレクション

 

 人類滅亡SF。海月状菌汚染(矢野徹)は、細菌感染による人類滅亡。伝染性が高く致命的な病気、恐怖です。/白い大陸が燃えるとき(福島正実)は、なんと南極大陸発の最終戦争。/到着(筒井康隆)は、わずか5行の爆笑終末SF。/世界の滅びる夜(平井和正)は整然とした滅亡の日。/ かわいた風(横田順彌)は、著者にしてはシリアスタッチ。最終戦争後に生き残った少女と異星人のすれ違い。/双星期(川又千秋)は、火星滅亡の日というところがミソ。/ひとつの装置(星新一)は、彼らしいとぼけた短編。終末ものは、題材が刺激的なので面白いが、いずれも滅亡に際して落ち着いた作品が多い。落ち着きすぎるかも。