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ルーピーのだいひこう

 

訓練用の小型飛行機ルーピーは、練習生がどんな飛び方をするかわからないので、いつもひやひやはらはらし通しです。何日も修理工場に入らなければならないこともありました。ルーピーの夢は、自分ひとりで自由に飛ぶこと。そして空に字を書いてみんなを驚かせること。そんなある日事件は起こりました。見せたがりの飛行士がルーピーに乗りこんだのです。見せたがりは、はるかに見える大きな黒雲に全く気がつきません。そして心配した通り、見せたがりの操縦するルーピーは、荒れ狂う嵐の中へ突っこんでしまったのです。見せたがりは慌ててパラシュートで脱出。風と闇といなずまの中にとり残されたルーピー。夢中で昇降舵と方向舵そして補助翼を順に動かしていきました。そしたらルーピーは、自分の思うとおりに飛んでいたのです!着地も見事に決めました。それからのルーピーは練習用ではなく、空に字を書く広告専門の飛行機になったのでした。
ページごとに文章と挿絵が対になっているので、自分で読み始めた子や、読んであげれば幼児からおすすめです。 (P)