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森の子ヒューゴ

 

2年生になったヒューゴとジョセフィーン、秋から春の物語。エピソードの中心となるヒューゴは言動だけでなく格好も、緑色のズボンつりに青いマントの雨がっぱと独特です。おかあさんが亡くなりお父さんもろうやへ入っていますが、全然しょげていません。お金をかせぐ計画を立てるというのを、ジョセフィーンが手伝います。お祭り広場で空きびんを集める、新聞社に作文を投稿する、郵便の配達をする。

ある日、転入生のミリアムとヒューゴが親しくなり、ジョセフィーンの思いは揺れ動きます。でも春になると、ミリアムもヒューゴも学校を去ってゆきます。もともと冬の間だけの滞在予定だったミリアム、そしてヒューゴは、川の合流点がどんなところか探しに行くんだ、と言って。
大学で哲学を学んだという作者のグリーペ。ヒューゴにたびたび哲学的な物言いをさせています。「死んだおかあさんは地球も浮かぶ同じ空にいるんだ」とか、「本当にわかるのは、まだやってないことだけなんだ」とか。 大好きなクモについてのヒューゴの知識も魅力です。古い本にいるダニを食べてくれるクモ、へえー、おもしろいと思わされました。 (は)