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ピッキのクリスマス

 

もうすぐクリスマス。リナは、部屋の窓に星の飾りをつけて、サンタさんを迎える準備をしています。そばにいるのはピッキ。木でできた人形です。

いよいよ明日はクリスマスという日、リナはお母さんと町へ出かけました。もちろんピッキも一緒です。あちこちお店へ寄って、プレゼントやチキン、ケーキを買ってまわるうちに、リナはピッキを落としたまま気づかずに帰ってしまいました。

やがて、クリスマス・イブを告げる鐘が鳴ります。その鐘の音に、ピッキは力をもらって立ち上がると、リナの家めざして歩き出しました。でも、行く手には高い石段やのらねこ。大きな荷車に跳ね飛ばされたピッキは、足が取れ動けなくなってしまいます。

するとそこへ、白いひげのおじいさんが通りかかってピッキを連れて帰り、元どおりに直してくれました。ピッキは、手を広げて星の形をつくって宙返りをして見せました。「そうか、おまえの家のまどには星の飾りがあるんだね」。

実は、おじいさんはサンタクロース。その晩、プレゼントを配るそりに一緒に乗ったピッキは、星飾りのあるリナの部屋へ無事に帰ることができたのでした。 (は)