トンネルを掘るために準備した火薬庫は、工事の中止で放置され、森林警備隊の管轄となった。毎日、交代で森の奥の火薬庫まで見張りに行かなければならない。バルナボは、その一員だ。険しくそびえる山に囲まれて、共に暮らす仲間たち。だが、火薬を狙った山賊の襲来を受け、命を落とした仲間がでた。そして、また襲撃された時、たまたま外にいたバルナバは恐怖で加勢できず、山を去ることになる。隔絶された山での暮らしの穏やかさ、仲間への思い、山から引き離された苦しみ。素朴なバルナボの姿がなんとも切ないが、まさに主人公は「山」か。
