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クリスマスのあかりーチェコのイブのできごとー

 

クリスマスイブ。1年生になったばかりのフランタは、ベツレヘムのあかりをもらうため、初めてひとりで教会へ行くことに。ろうそくを入れた手さげランプ、貯めておいたおこづかいを持って出かけます。

あかりはすぐにランプに移せましたが、教会の募金箱にお金をつまらせてしまったフランタは、どうしたらいいかわからずその場を逃げ出します。

あわてて帰る途中、近所のドブレイシカおじいさんに会いました。ドブレイシカさんは、奥さんのお墓に供える3本のカーネーションを盗まれてすっかり気を落としていました。フランタは、ポケットのお金で花を買ってあげようと思いたち花屋へ。でも、お金が足りません。そうだ、さっき募金箱につまらせてしまったお金!かけ戻ってお金を引っぱり出そうとしていると、教会の管理人さんが来てフランタをつかまえてしまいました。
小さなフランタに次々と起こる出来事。その度にそれぞれの場の大人が、フランタを一人前に扱って辛抱づよく話を聞き、考えをうながし、思いを受け止めます。小さな冒険をやりとげたフランタのもとには、その夜、小さなイエスさまからのプレゼントが届きます。

クリスマスにまつわる物語ですが、小さい子どもの好奇心や、失敗と緊張、思いやり、1人でやりとげたいという気持ち・・・は誰しも覚えのあるものとして、読者の子どもを引きつけることでしょう。

エス誕生の際の3人の王様の名前や贈り物、もつやくとは何かまで、しっかり説明してあるところも貴重です。 (は)