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夜をあるく

 

夏の夜中、散歩にくり出す家族。

眠っている町を抜けると、牧場の暗がりに牛の気配。山につづく上り坂から森へ入ると木のにおい、葉のゆれる音。

森がひらけると、満月の映る湖。草むらに寝っころがると虫の声。目的地までもうひといき。

とうとう山の頂上についた。肩をよせあって見つめる先に、ついにかすかな日が差し上り、まばゆい光に包まれる。

紺色の濃淡と白、やわらかい黄色だけで描かれる夜の世界。フランスの作家ですが、和の雰囲気を感じます。 (は)