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ヘンショーさんへの手紙

 

6年生のリーは、母親と2人暮らし。両親が離婚し、父さんと犬のバンディットに会えなくて寂しいのと、転校した学校で弁当のおかずを盗まれるのが嫌だと思っている。

ある日学校で、作家についてレポートを書くことになり、リーは2年生の頃から好きな本の作者ヘンショーさんをえらんだ。1等をとったらヘンショーさんに会えるかと思い、文集コンクールへも応募。弁当の盗難報知器もつくり上げる。ラストは、父とバンディットとの再会も果たす。

ヘンショーさんにあてた手紙だけで物語がすすみ、「あしながおじさん」のようですが、リーのことを気にかける用務員さんの存在、リーの作文「父のトラックに乗った日」をほめてくれる作家、そして、別々に暮らすことを選んだ両親の思いを知るリーと、心情描写や展開のさせ方は、さすがクリアリーさん。 (は)