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ドリトル先生月から帰る

 

トミーが1人で地球に帰されてから1年。とうとう今夜こそ、という皆既月食の晩に、月に合図ののろしが上がります。

ほどなく、巨大イナゴに乗って、無事にパドルビーの我が家へ帰ってきたドリトル先生でしたが、5メートル半にまで巨大化した体や、人間語がままならないなど、元に戻るまでしばらく静養が必要。

しかし案の定、うわさを聞きつけた動物たちが、病気やけがの治療や困りごとの相談に、次々とやってきます。

ドリトル先生は、ネコ肉屋マシューの進言で、ただで平和と静けさが手に入る場所―刑務所に入り、月世界での研究成果の執筆にいそしむ作戦に。人のいい紳士のドリトル先生が、刑務所に入りたさに警官と問答する場面は傑作。

そして、ある秋の夜、ようやく開かれた先生の帰りを祝うパーティーで、動物家族たちは水入らずのひとときを楽しみます。 (は)