”月からの使い”巨大ガの背に乗って、月へやってきたドリトル先生。同行したのは秘書役のトミーと、オウムのポリネシア、サルのチーチー。
しかし、月世界には生き物の姿がなく、先生が呼ばれた理由がわかりません。
研究熱心なドリトル先生は、風の向きとは異なる動きをみせる木や花に気づき、動物語、鳥語、虫語につづいて、ついに植物語を習得!
パドルビーの自宅から見えたのろしを上げた跡、姿はないのに感じる生き物の気配、そして巨人の足跡、さらには、チーチーがおばあさんから聞いた月の伝説。これらすべてが結びついて、ドリトル先生が月へ呼ばれたわけが明かされていきます。
謎が解けてほっとしたのもつかの間、トミーの両親を心配するドリトル先生が、地球へ帰ってしまうことをおそれた巨人によってトミーがさらわれ、1人地球へ送り返されてしまうラストで、シリーズ第9巻「月から帰る」へ。
月では、動物界と植物界から平等に構成される「会議」で平和と秩序が保たれているという設定は、作者ヒュー・ロフティングの平和への願いです。 (は)