「夏の終りに」の続編。
祖母は亡くなった。海辺のゴールデングローブ荘を相続したマッジは、夏休みに読書会を行うゼミ学生たちと過ごすことに。そして、教授の息子パトリックを愛するようになる。
パトリックは、障害のある幼い妹の存在と乖離した哲学講義を語る父親と、娘の将来を絶望する母親に思い悩んでおり、ある日、事件が起こる。
マッジとポールの目撃する中、妹のモリーが崖から転落死し、救命艇で捜索に出た元漁師(それはマッジとポールが信頼する昔なじみ)も命を落とす。
マッジは、自身を責めさいなむパトリックに寄り添い、慰めます。
物語は、やがて夫となったパトリックも亡くなり、娘や孫、姪たちに囲まれて海辺の家で過ごすマッジの晩年と、事件のあった夏を行き来しながら語られる。
「祖母」というのがマッジとわかるのが、終盤も終盤なのと、マッジも加わる哲学ゼミの対話が難しいので、前作より上級向き。モリ―の死はショッキングだが、マッジが孫たちに、世界の美しさや、生きることの尊さを諭し、「歌いましょう」と促すラストは、穏やかな心地。 (は)
