児童書評価のページ

新刊・古典とりまぜて児童書を評価します

それからぼくはひとりで歩く

 

目の見えない少年ハイメの1日の”冒険”物語。

新しい小学校の5年生になって1か月というその日、ハイメは初めて、1人でバス、徒歩で学校から帰った。ちょっと気になるクラスメイトのパウリーナに、いいところを見せたいというのもあったけれど、バスにリュックを忘れたり、市場のテントをひっくり返しておじさんにどなられたり、さんざんだった。

でも、親切な出会いもあり、ハイメはなんとか1人でやりとげる。

ハイメが心の内を話せるおじいちゃんや、兄さんのミゲル、特別支援学校の幼稚部時代の友だちニコの存在がいい。

メキシコの作品で、文中に出てくる料理の数々が、ハイメにとってもそうであるように、読者の感覚を刺激し想像をかきたてられます。 (は)