タリバン制圧下のアフガニスタンが舞台。パヴァーナは十一歳の女の子。リベラルな両親に育てられたが、一家の生活は悪化の一途をたどり、ついに父は逮捕されてしまった。女性は外出も、仕事もできないという法の下で、残された家族を救うため、パヴァーナは髪を切り、男の子として働き始める。偶然、同じように男装して働く元同級生と出会い。母も、友人に助けられひみつの学校を始めた。だが、まだ自由が残る地方へと、結婚のため母と姉が出かけたとたところ、その街もタリバンに制圧され二人は行方不明に。盗人の手を切る残酷な公開処刑や墓場で人骨を掘ってかせぐつらさと同時に、代読してもらった手紙に涙する個人としてのタリバン兵の姿も描き、バランスをとっている。未来への希望を忘れない最後もよい。
でも、女性というだけで外出も仕事もできない、という制限を課したら、労働力不足しないの? と素朴な疑問を感じちゃいますが(特に農村とか)、リアルに社会全体の構造や雰囲気がイメージできないのは、まだまだ私が知識不足ですね。