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新刊・古典とりまぜて児童書を評価します

狼とくらした少女ジェリー

 

狼とくらした少女ジュリー

狼とくらした少女ジュリー

 

 父と引き離され、おばとの暮らしをのがれたいために13歳で結婚することを選んだマヤック。とはいえ、養女にきたようなもので落ち着いて暮らしていたが、“夫”にレイプされそうになって家をとびだした。果てしないツンドラの中で道に迷った彼女は、生き延びるために狼の群れの一員に受け入れてもらうことを決心する。狼の生態を熟知していることを活用し、狼の言葉を学び、ついに群れのリーダーアマレクに迎え入れてもらう。だが、アマレクは狩猟を楽しむ人間に殺されてしまった。絶望の中で、父との再会を果たすが、喜びもつかの間、アマレクを殺した狩人のガイドが父だったことを知る。もはやエスキモーとして生きる世界が閉ざされていることを知るラストは絶望。