児童書評価のページ

新刊・古典とりまぜて児童書を評価します

ネコの目からのぞいたら

 

ネコの目からのぞいたら

ネコの目からのぞいたら

 

 ダンテは、読んだり書いたりするのが苦手なせいで成績が悪い。両親が仕事で香港に行く間、ヴェネチアのおばあちゃんにあずけられたが、おばあちゃんはとても厳しく、先生がディクレシア(難読障)ではと言っても、孫には何も問題はないと受け付けずに個人授業を命じられた。がっくりするダンテだが、ドレンデ先生は、年はとっているけど風変わりな発明家で、ダンテの読み間違いを楽しい言葉遊びに変えてくれる最高の先生だった。おまけに先生の家でちょうど生まれた子ネコをくれる約束をしてくれたうえ、先生の発明で、子ネコが見たものをダンテが見えるようになる特別の目薬を子ネコにつけてくれた。ダンテは子ネコをヴェルリギウスと名付けて、目が明くのを楽しみにしているが、学校の試験が無事に合格、子ネコの目が開いてその見ているものが見えたと思った直後、ドレンデ先生が死んでしまう。家は人手に渡り、ヴェルリギウスも行方不明に! ヴェルリギウスの目を通して、ネコのいる場所を探すと、女の子に飼われているのがわかったが、なんと、その女の子が誘拐されてしまう。おまけに。その誘拐犯を背後であやつるトルコ風衣装の女の顔がヴェールから現れたら、なんとおばあちゃん! 女の子とヴェルリギウスを救い出し、おばあちゃんの正体をつきとめようとダンテの奮闘が始まる。すべては、先生が死んだ悲しみのショックからくる妄想と説明するおばあちゃん。探しても見つからない現場、だけど、あのリアルな映像は? ドキドキハラハラで、なかなか楽しく読ませるし、最後の謎解きも整合性をつけていて納得でした。