イタリアの家庭のほとんどにあるという人気料理本『シルバースプーン』から、40のレシピを抜粋したもの。なのでイタリア料理の作り方が載っているわけですが、まえがきに、料理について万国共通の基本的なことが説明されていて、家庭や小学校の家庭科でこんなことを子どもに伝えられたら、とてもいいと思います。特に、包丁を使うときに材料に添える手をよく「ネコの手」でと言いますが、しっかり押さえたいときは「ブリッジの手」でと説明しているのが、目からウロコでした!
ほかにも、「レシピを読むと、算数(はかり方、分け方)や、文章を読む力(おもしろい豆知識もたくさん書いてあります)、地理(イタリアについての興味深いことがらがわかります)、芸術までも(イラストを参考に盛りつけをくふうしてみてください)勉強することができます。」というメッセージになるほどと思わせられるし、「安全に料理するために」の項の「料理は読書と似ている、基本を覚えたら、あとは自分の好きなように」という視点も、本好きとしては何だかうれしくなります。子どものいろいろな興味から料理の世界へ入りやすくしようとしていると感じます。