児童書評価のページ

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学校に行きたくない君へ

 

学校に行きたくない君へ

学校に行きたくない君へ

 

 1998年創刊の不登校専門紙「不登校新聞」に掲載された著名人のインタビュー記事のうち20人を収録。インタビュアーは不登校やひきこもりの当事者・経験者である子どもたち。受け手の著名人にも不登校・ひきこもり経験者が多く、20人20様の人生観に正解なんてないんだとよくわかる。一方、共通する学校観、不登校観なども見えてくる。不登校になるのは、筋が通らないことに納得できなかったり、自尊心が強かったりするのかもしれない。それはむしろ、学校のおかしさに気が付いている正しい感覚。自分に向き合う時間を多く持つことは自分を必ず成長させ、人生をいいものにしてくれるという言葉が複数語られる。
個人的にテンポよく言葉が入ってきたのは、樹木希林さんと田口トモロヲさんのインタビューで、共感とか理路整然とかいうことではないが、その人だけの感性から出てくる言葉がおもしろかった。