児童書評価のページ

新刊・古典とりまぜて児童書を評価します

答えは本の中に隠れている

 

教員、学校司書、作家、弁護士など12人のおとなが、中高生へ読書指南。さまざまな本を紹介しながら、同時に、自身の中高生時代や読書遍歴を披露し、思春期の迷いや悩みに寄り添う内容となっている。

中でも、産婦人科医の高橋幸子さんの章は、望まない妊娠を防ぐための性教育として、この12ページをとりだして(「カレシができたら読むブログ」とか)紹介したいぐらいおすすめ!ほか、ブラックバイトに対する団体交渉の権利を教える、実践的な文章もあります。

終章の夏川草介さんが高校生向けに行った講演は、いわゆる文豪たちの名著が並んでいてハードですが、読書の先にある「考える」力の大切さ、「大事なことは難しい」んだと訴えていて、学校教育への危機感が伝わります。

ところで私は、ローラ物語の”インディアン”描写問題から米国図書館協会がローラ・インガルス・ワイルダー賞をやめていた(2018年6月)ことを本書、弁護士の方の文章で知り、今ごろショックを受けました。 (は)