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アラビアン・ナイトのおはなし

 

アラビアン・ナイトのおはなし

アラビアン・ナイトのおはなし

 

 アラビアン・ナイトの中でも代表的な「アリババと四十人のとうぞく」「アラジンとまほうのランプ」「空とぶ木馬」の3話にしぼって収録。昔話風に短くグングン進む文章と赤羽末吉の挿絵が相まって、骨太ではあるがあっさりとした印象をもった。美しいお妃のシェヘラザードではなく男性が語っている感じ。巻末の解説では、スコットランドのアンドリュー・ラング(「青いろの童話集」などで親しまれる)の再話をもとにしたとのこと。アラビアン・ナイトの最初の邦訳は明治8年で、永峰秀樹訳「開巻驚奇暴夜物語」(かいかんきょうきあらびやものがたり)という題名だったそうです。