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ハリネズミと金貨

 

ハリネズミと金貨―ロシアのお話 (世界のお話傑作選)

ハリネズミと金貨―ロシアのお話 (世界のお話傑作選)

 

 ハリネズミのおじいさんが、森の小道で金貨をひろいました。冬ごもりの干しキノコでも買おうと歩いて行くと木の上からリスが声をかけ、たくさん作ったからと干しキノコをただでくれました。では、新しい靴でも買おうかと進んでいくと今度はカラスに会って、カラスもやっぱりただで靴を作ってくれました。ハリネズミは同じように、靴下、ハチミツも手に入れて冬支度に困らなくなったので、金貨を元の小道に戻しておきました。ほかの誰かの役に立つように。
困っている人を助ける思いやり、といういいお話のようですが、絵と文章が合っていない、説明の足りないところがいろいろ引っかかります。カラスと出会う場面は森の市場のようですが、カラスは何屋さんなのか、ほかの動物たちもお金のやりとりはしていなくて物々交換をしているのか、途中でハリネズミの様子を見ているフクロウがとても意味ありげなのに全く関わらないこと、虫たちの楽しそうな音楽会の様子にも一言あるといいのに・・・など。幼い子には不親切のような気がしました。   (F)